2007.05.21(Mon) 【読んだ漫画】
預言者ピッピ 地下沢中也
預言者ピッピ 地下沢中也
コミックキューに連載されて8年かかりで単行本化したといういわくの一冊。
はい。正直に言いましょう。
これ凄いです。
青山ブックセンター@六本木で「デザインルールズ」と
「縦組本文のデザイン」というまあ仕事の本を選んでる時に偶々手に取ったものでした。
ちらりと立ち止まったときに視線の高さにそれが目に入って何か直感的に手に取ったんです。
で、青山ブックセンターでは漫画にビニールなど悲しい密封加工が施されていないので、立ち読みして時間つぶすつもりで読み始めたのですね。
どうやら始めは手塚治虫のトリビュート?のような扱いで始まった漫画のようで、世界観というか話の流れが「メトロポリス」などを喚起させます。
概要を少しご説明すれば
(以下核心には触れませんが絶対ネタバレしたくないひとはすっとばしてください)
舞台は私たちとそれほど遠くはなれていなさそうな未来の日本。
そこで地震予知に使われるためにあらゆるコンピューターの端末となり情報を集約している子供のロボット「ピッピ」。
彼は情報を単にインプットするだけではなく、同じ年頃の少年タミオと一緒に遊んだり話したりすることでたくさんの事を学んでいく。
しかしとある事故がきっかけとなりピッピが「なぜ?」と問いかけるもう一人の人格を自分の中に作り出した事によって地震予知という情報を与えられて予知するだけだったピッピに「もっと知りたい」という欲が生まれてしまう。そして「地震予知しかさせてはいけない」と猛烈に反対するタミオの父親の反論も空しく、ピッピには世界のすべての(バタフライ理論やらカオス理論やらも完璧に計算できる程に)精巧な情報が与えられることとなり、しまいにはすべての起こるべき物事を計算し尽くしてしまう
…というもの。
・願うことができるのは未来が不確定だからである
・進歩をする限り人は自分たちで制限していたルールをいとも簡単に破ってしまう
・ラプラスの悪魔が存在するとしてそれは人間にどのような影響を与えるのか
・予測というものが限りなく100%に近づいたとき、人間は自分に被害が及ばない限りはそれが自分の願った通りになった事なのだと錯覚してしまう
・たとえ自分の意志で決めた事だとしても、その前に完璧な予測というものが前提に突きつけられてしまうと、人間は自分の意志ではなくそれがその予測した何者かに操られているように感じ、時として恐怖に陥るだろう
この辺のことがとても精密に、リアルに描かれています。
そして調べた結果この方元々はギャグ漫画畑の人だということが…
なんていうか、反則ですよね。
そしてこれが発売されるまでの道のり8年…
月じゃないんですよ。年なんですよ。
次巻は何年待てと!!!
今のところ謎な部分
・ピッピがタミオの描いた絵に付け加えた貝のようなものは何なのか
・何故ピッピは新聞記者に嘘の「自殺告知」をしたのか
・人間の幸せを願うと言いながら進化か絶滅かと問いかけるのは何故なのか
・その宣告の前にピッピのつぶやいた言葉の意味は何なのか
…など。
この漫画、ジャンプ主流に読んでいる人とかが読んだら相当ショックを受けそうな気配がしますがぜひ読んで欲しいといっておきます。
系統的に「僕らの」が大丈夫な人は大丈夫でしょう。
個人的には「僕らの」よりも私は「ピッピ」の方が好きなのですが。
割と読みやすいのに凄くぞくぞくします。
コミックキューに連載されて8年かかりで単行本化したといういわくの一冊。
はい。正直に言いましょう。
これ凄いです。
青山ブックセンター@六本木で「デザインルールズ」と
「縦組本文のデザイン」というまあ仕事の本を選んでる時に偶々手に取ったものでした。
ちらりと立ち止まったときに視線の高さにそれが目に入って何か直感的に手に取ったんです。
で、青山ブックセンターでは漫画にビニールなど悲しい密封加工が施されていないので、立ち読みして時間つぶすつもりで読み始めたのですね。
どうやら始めは手塚治虫のトリビュート?のような扱いで始まった漫画のようで、世界観というか話の流れが「メトロポリス」などを喚起させます。
概要を少しご説明すれば
(以下核心には触れませんが絶対ネタバレしたくないひとはすっとばしてください)
舞台は私たちとそれほど遠くはなれていなさそうな未来の日本。
そこで地震予知に使われるためにあらゆるコンピューターの端末となり情報を集約している子供のロボット「ピッピ」。
彼は情報を単にインプットするだけではなく、同じ年頃の少年タミオと一緒に遊んだり話したりすることでたくさんの事を学んでいく。
しかしとある事故がきっかけとなりピッピが「なぜ?」と問いかけるもう一人の人格を自分の中に作り出した事によって地震予知という情報を与えられて予知するだけだったピッピに「もっと知りたい」という欲が生まれてしまう。そして「地震予知しかさせてはいけない」と猛烈に反対するタミオの父親の反論も空しく、ピッピには世界のすべての(バタフライ理論やらカオス理論やらも完璧に計算できる程に)精巧な情報が与えられることとなり、しまいにはすべての起こるべき物事を計算し尽くしてしまう
…というもの。
・願うことができるのは未来が不確定だからである
・進歩をする限り人は自分たちで制限していたルールをいとも簡単に破ってしまう
・ラプラスの悪魔が存在するとしてそれは人間にどのような影響を与えるのか
・予測というものが限りなく100%に近づいたとき、人間は自分に被害が及ばない限りはそれが自分の願った通りになった事なのだと錯覚してしまう
・たとえ自分の意志で決めた事だとしても、その前に完璧な予測というものが前提に突きつけられてしまうと、人間は自分の意志ではなくそれがその予測した何者かに操られているように感じ、時として恐怖に陥るだろう
この辺のことがとても精密に、リアルに描かれています。
そして調べた結果この方元々はギャグ漫画畑の人だということが…
なんていうか、反則ですよね。
そしてこれが発売されるまでの道のり8年…
月じゃないんですよ。年なんですよ。
次巻は何年待てと!!!
今のところ謎な部分
・ピッピがタミオの描いた絵に付け加えた貝のようなものは何なのか
・何故ピッピは新聞記者に嘘の「自殺告知」をしたのか
・人間の幸せを願うと言いながら進化か絶滅かと問いかけるのは何故なのか
・その宣告の前にピッピのつぶやいた言葉の意味は何なのか
…など。
この漫画、ジャンプ主流に読んでいる人とかが読んだら相当ショックを受けそうな気配がしますがぜひ読んで欲しいといっておきます。
系統的に「僕らの」が大丈夫な人は大丈夫でしょう。
個人的には「僕らの」よりも私は「ピッピ」の方が好きなのですが。
割と読みやすいのに凄くぞくぞくします。
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