2010.02.01(Mon) 【おはなし】
石垣君の日記4
最近学校で変な噂が流れてる。っていうか俺とヒグチが調べてた七不思議みたいなやつの話なんだけど。
北側の校舎裏のフェンスの向こう側に人影が見えることがあるらしい。
俺らの学校には北側に高いフェンスが設けられていてその外には一年中葉っぱを落とさない高い木が立ち並んでいる。人が入れる気配は全くなくて、フェンス越しに投げられたようなプラスチックのゴミやら空き缶が見えるくらいなものだ。何でかって先生に聞いても「危ないから」としか答えてくれない。
でも実は何十年か昔に実際にそこに入って人が死んだらしい。俺はその事件を、こっそりと拝借したじいちゃんがコレクションしていた新聞の切り抜き記事から見つけた。
俺とヒグチはおもしろ半分に、そこに立ち入って行方不明になった男子生徒のことを調べてた。それでそいつがいなくなった場所っていうのがどうやらその北側の森みたいなところで、その事件があって以来あそこは誰も入れないような作りのフェンスが建てられたらしいというところまでわかったからついでにそこに寄ってみたんだ。
そん時に何故か早坂っていう隣のクラスの奴がクラスメイトに集中攻撃されかけながらフェンスの扉の向こうに逃げようとしたとこを見かけて、少し隠れてたらそのうち追いかけて来た吾代と早坂がこれまた何故かケンカになって…ってなっちゃって。結局探索自体は有耶無耶になったんだけど。
……おかしいんだ。だってフェンスは誰も立ち入れないように作られていて「入り口なんてあるはずなかった」んだから。
なのに俺らはそのときそのことを不思議だなくらいにしか思わなかった。
今思えばそんなの不気味でしょうがないのに。
そして更に不可思議?なことに、俺らはその話題を避けて話すようになった。
なんでかとかよくわかんないんだけどとにかく、それ以上首を突っ込んではいけない話のような気がしたのだ。
俺の方はそんな嫌な予感からその話を遠ざけてたんだけど、ヒグチの方はそうでもなかったらしく、それからひっそりとその事件について色々調べているらしい。俺が聞けば話してくれるんだろうけど、俺は怖くて聞けない。
北側の校舎裏のフェンスの向こう側に人影が見えることがあるらしい。
俺らの学校には北側に高いフェンスが設けられていてその外には一年中葉っぱを落とさない高い木が立ち並んでいる。人が入れる気配は全くなくて、フェンス越しに投げられたようなプラスチックのゴミやら空き缶が見えるくらいなものだ。何でかって先生に聞いても「危ないから」としか答えてくれない。
でも実は何十年か昔に実際にそこに入って人が死んだらしい。俺はその事件を、こっそりと拝借したじいちゃんがコレクションしていた新聞の切り抜き記事から見つけた。
俺とヒグチはおもしろ半分に、そこに立ち入って行方不明になった男子生徒のことを調べてた。それでそいつがいなくなった場所っていうのがどうやらその北側の森みたいなところで、その事件があって以来あそこは誰も入れないような作りのフェンスが建てられたらしいというところまでわかったからついでにそこに寄ってみたんだ。
そん時に何故か早坂っていう隣のクラスの奴がクラスメイトに集中攻撃されかけながらフェンスの扉の向こうに逃げようとしたとこを見かけて、少し隠れてたらそのうち追いかけて来た吾代と早坂がこれまた何故かケンカになって…ってなっちゃって。結局探索自体は有耶無耶になったんだけど。
……おかしいんだ。だってフェンスは誰も立ち入れないように作られていて「入り口なんてあるはずなかった」んだから。
なのに俺らはそのときそのことを不思議だなくらいにしか思わなかった。
今思えばそんなの不気味でしょうがないのに。
そして更に不可思議?なことに、俺らはその話題を避けて話すようになった。
なんでかとかよくわかんないんだけどとにかく、それ以上首を突っ込んではいけない話のような気がしたのだ。
俺の方はそんな嫌な予感からその話を遠ざけてたんだけど、ヒグチの方はそうでもなかったらしく、それからひっそりとその事件について色々調べているらしい。俺が聞けば話してくれるんだろうけど、俺は怖くて聞けない。
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2010.01.28(Thu) 【おはなし】
石垣君の日記3
じいちゃんに話を聞こうと部屋に向かったらじいちゃんは丁度でかけるところだった。
思わずじいちゃんが気がつく前に階段の影に隠れた。
直感的にじいちゃんが家族に内緒で出かけようとしてるのがわかったから。
じいちゃんは勘がいい人で俺はテストの点数も成績も学校のことでも嘘がつけないが
じいちゃんの孫である俺はその血を一応受け継いでいるのかもしんない。
後を付けようとしたけどバレるのがオチなので仕方なく俺はじいちゃんがでてくのをやりすごそうと決めた。そうして部屋に引き返そうとした途端、着信音が鳴ってめちゃくちゃビビった。
でもそれは俺の携帯じゃなくてじいちゃんのものらしかった
(携帯なんて持ってたっけ?)
じいちゃんは低い声で誰かと話をしていた。
かろうじて「あの時」だとか「今更」とか聞こえた。
なんだか嫌な感じだった。
じいちゃんはその日遅くに帰って来た。
近所の茶飲み友達と将棋さしてたって言ってた。
母さんは何も言わなかった。
俺も何も言わなかった。
思わずじいちゃんが気がつく前に階段の影に隠れた。
直感的にじいちゃんが家族に内緒で出かけようとしてるのがわかったから。
じいちゃんは勘がいい人で俺はテストの点数も成績も学校のことでも嘘がつけないが
じいちゃんの孫である俺はその血を一応受け継いでいるのかもしんない。
後を付けようとしたけどバレるのがオチなので仕方なく俺はじいちゃんがでてくのをやりすごそうと決めた。そうして部屋に引き返そうとした途端、着信音が鳴ってめちゃくちゃビビった。
でもそれは俺の携帯じゃなくてじいちゃんのものらしかった
(携帯なんて持ってたっけ?)
じいちゃんは低い声で誰かと話をしていた。
かろうじて「あの時」だとか「今更」とか聞こえた。
なんだか嫌な感じだった。
じいちゃんはその日遅くに帰って来た。
近所の茶飲み友達と将棋さしてたって言ってた。
母さんは何も言わなかった。
俺も何も言わなかった。