2008.08.19(Tue) 【雑記】
お盆過ぎちゃったねぇ。
この国には死者が帰る日というのが八月にあるんだそうで、ボクはそれにならってふらりとこの地に戻ってきたんだけどボクを見つけたのはやっぱりこの国の、ボクの死を見届けた人(人?)で、相変わらずケイキの悪い顔をしていたのでボクは笑った。ユウレイとかそういうの信じるほどおめでたくねえよと言ってボクに対して悪態つきながら、いつもみたく迷惑そうでそれがなんだか嬉しい。嬉しいと言ったら増々嫌そうな顔をされた。ボクには行きたいところもないのでかまわずそこにいてただその人を見ていたら睨み返された。その目は影に隠れて黒くて真っ暗くて、全てを拒絶するような感じ、怖い怖い感じ、だったけど、ボクはその中にちょっとだけ「アワレミ」があるのを知っているからまっすぐに見つめ返した。「哀れみ」、じゃない。そういう言葉になる前のもっと未熟な?多義的な?ううんと、なんて言えばいいのかな。そう、宇宙の始まる前みたいなそんな要素。知ってる?宇宙って始まる前は混沌でできてたんだって。それはまだ存在するということの前の、存在という固形物になる前の全ての(無も含めた)スープみたいな状態だったんだよ。スープって例えるとおいしそうだよね。そのスープみたいなアワレミが、いろんな思いと混じってボクの前の目に映ってる、のをボクは知っている(でもそのことを口に出したりはしない。ボクはバカで愚かなのかもしれないけど、言うべきこととそうでないことくらいはわかる)。知っているからその人の名前を、親しみをこめて呼ぶんだ。ボクもまた、この人がアワレムことをアワレンでいる。合わせ鏡みたいに、ボクらはずっとずっとその繰り返しにとらわれたまま、夜の中にいる。
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